ペタペタ~番組の構成案・編集案とは~

K

2008年12月12日 (金)

ペタペタと2PD.JPGペタペタ貼る指先.JPG テレビジャパンでは独自制作番組として、「テレビジャパンclub」、「情熱トークUSA」などの番組を制作しています。これらの番組を通して、我々はアメリカで暮らす方々の声を画面に紹介して行きたいと願っております。

 「テレビジャパンは皆様にとっての広場になりたい」というのが、我々の合言葉です。

 

 ただ、番組を作るというのは、それがどんなに小さなものであっても、手間と金がかかります。12月4日のブログ記事でご紹介したように、「放送部3銃士」はお金のない部分を知恵と努力で補って、皆様に喜んでいただける番組作りに励んでいます。

 

 今回ご紹介するのは、彼等が番組の構成を検討しているシーンです。この「構成を立てる」という作業は、番組制作の中で最も重要なものと言っても過言ではありません。11月5日の記事にも書きましたが、「あれもあります。これもあります」では番組になりません。

 

 ディレクターは番組を作ろうとする時、まず「何を伝えたいか。この番組の狙いは何なのか」を、議論などを通してクリアーにし、それを伝えるための構成案作りに入ります。もちろん構成案を紙のかたちで書くことも行いますが、同時に番組を構成する要素をポストイットに書き出し、それをボードにペタペタと貼り出していきます。そして番組全体が「流れて」いるか、シークエンスやシーンの切り替え部分などで絶対はずせないところは何かなどを検討していきます。 

 逆説的に言えば、良い構成とは、見る人に「そこに構成がある」ということを意識させない構成のことなのです。

 

  ちょっと見にくいですが、左側の写真のボードの、いちばん左側の列には、番組を構成する大きな柱(項目)が書き出されます。この大きな柱は「シークエンス」とも呼ばれます。シークエンスは、複数のシーンがつながって構成される一連のかたまりとも言えます。

 

 シークエンスの右側には、それを構成する「シーン」が書き出されます。ディレクターの中には、ポストイットの色を変えることで、「このシーンはインタビュー部分だ」というふうに、視覚的にわかりやすいように工夫している人もいます。

 

 これらのポストイットには、「ここでこういうコメントをつける」とか、インタビューなら「こういう話を聞き出す」とかいったメモが、どんどん書き込まれていきます。このポストイットを何回も何回も動かして、番組全体が「流れる」ようにもっていくのですが、あんまり何遍も貼り換えるので、構成がいつの間にか最初のに戻ってしまうことも珍しくありません。

 

 そして構成を検討する過程で、映像と音声、字幕、ナレーション、効果音などをどのように有機的に組み合わせたらよいかを詰めていく作業も行なっていきます。

 

 こういう構成案の作成は、いわゆるロケ(撮影)の前にも行ないますし、撮影作業を終え、映像素材が一応手元に揃った段階にも再び行います。後者は具体的に絵をつなぎ始める前ですね。編集プランを検討した結果、どうしても絵が足りなくて、追撮(追加撮影)せざるを得なくなることもありますが、ディレクターはそうしたことが極力起きないようロケ段階で細心の注意を払います。

 

 こうしたポストイットを使ったかたちでの構成・編集案の検討というのは、日本(というかNHK)独特のやり方なのかもしれません。以前仕事をしたことがあるロンドンでは、イギリス人のディレクターやカメラマンは「こんな方法は見たことがない」と言っていました。ただ彼等はさかんに「これは良いやり方だ」とも言っていましたから、ひょっとしたら今頃は大分広がって、彼の地に「新編集システムを伝えた『お雇い外国人』の碑」なんてのが建っているかもしれません?!

 

 11月5日の記事にも書きましたが、電波に映像や作品を出していただくということは、「家族や友人の間で写真を見せ合う」というのとは、ちょっと違った性格を有するものです。上記の拙文が、皆様からのご投稿に少しでもお役に立てれば望外の幸せです。

 

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コメント(2)

こんにちは。
番組がどのように作られていくのかについて知ることができ、楽しく拝見させていただいています。
一つ疑問に思ったことがあります。
構成をインタビューの前に綿密に検討しすぎてしまうと、インタビューも何か誘導尋問のような、もともとの構成案にぴったりはまるような回答を引き出すようなものになってしまうのではないかと思ったのです。
インタビュー中に構成案では出てこなかったような面白い展開になったとしても、構成案と比べて大きくずれているので放送には乗せないということも出てくるのではないのでしょうか?

長くなってしまいすみません。
ぜひ回答よろしくお願いいたします。

コメントを有難うございました。 構成案とは叩き台・仮説であって、そのとおり撮ったり録ったりするというものではありません。ただ取材される側だって、基になるものがなければ反応のしようがないでしょう。番組作りとは取材する側とされる側のキャッチボールのようなものであって、取材される人は、取材者からのボールに対し、「これはちょっと違うよ」とか「自分の言いたいのはこういうことだ」と反応します。ディレクターはそれに対し、またリアクションします。そういう過程が番組制作には欠かせないのです。良い演説をするためには、「(草稿を)書いて忘れる」ということが必要だそうですが、番組にも似たところがあります。

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